メルカトル図法とは? 面積の歪みを地球儀と並べて一目でわかる図解

グリーンランドとアフリカ、地図では同じ大きさに見えますが実際の面積は14倍も違います。 なぜこんなに歪むのか? 下の地図と地球儀をインタラクティブに見比べれば、メルカトル図法の仕組みが一目でわかります。

メルカトル図法の特徴と仕組み

なぜ面積が歪むのか — 3ステップで理解

1

地球は丸い、地図は平ら

球体を平面に広げるのは、みかんの皮をきれいに平らにするようなもの。 どこかを切るか、伸ばすかしないと平面にできない。

2

メルカトル図法は「角度を守る」を選んだ

航海で大事なのは方角。「北に30度の方向に進め」が地図上でも同じ角度になるように設計された。 その代償として、面積が犠牲になった。

3

赤道から離れるほど「引き伸ばし」が激しい

地球儀を見ると、北極・南極に近づくほど経線(縦の線)の間隔が狭くなる。 でもメルカトル図法では経線を平行に描くため、高緯度ほど横に引き伸ばされる。 角度を保つために縦も同じ比率で伸ばすので、面積は2乗で拡大される。

拡大率の式

面積の拡大率 = 1 / cos²(緯度)

赤道(0°): 1倍 → 東京(35°): 1.5倍 → グリーンランド(72°): 10.5倍

場所緯度拡大率
赤道1.0倍
東京35°1.5倍
ロンドン51°2.6倍
モスクワ56°3.2倍
グリーンランド72°10.5倍

国の本当の面積

国・地域実際の面積メルカトル図法での見た目
アフリカ大陸約3,037万km²実際より小さく見える
ロシア約1,710万km²実際より大幅に大きく見える
グリーンランド約216万km²アフリカ並みに見える(実際は14分の1)
日本約37.8万km²やや拡大(約1.5倍)

メルカトル図法の歴史

メルカトル図法は1569年、フランドル(現ベルギー)の地理学者ゲラルドゥス・メルカトルが航海用世界地図のために考案しました。 大航海時代、船乗りにとって最大の課題は「地図上で引いた直線が、実際の航路で一定の方角を示すこと」でした。 メルカトル図法はこの問題を解決し、地図上の直線が等角航路(ラムライン)を表すようになりました。

この特性により、コンパスと定規だけで航路を計画できるようになり、メルカトル図法は航海の標準地図として世界中で採用されました。 現在でも海図の多くはメルカトル図法をベースにしています。

メルカトル図法と他の図法の比較

図法特徴用途
メルカトル図法角度が正確(正角図法)。高緯度で面積が拡大航海、Web地図
モルワイデ図法面積が正確(正積図法)。形状が歪む分布図、統計地図
正距方位図法中心からの距離と方位が正確航空路線図、国連旗
ヴィンケル図法面積・角度・距離のバランスが良い一般的な世界地図
ロビンソン図法見た目の自然さを重視した妥協図法教科書、一般地図帳

地図の図法にはそれぞれ得意分野があります。メルカトル図法は角度を正確に保つ正角図法であり、 航海や Web 地図サービスに適していますが、面積の比較には向きません。 面積を正しく表したい場合はモルワイデ図法などの正積図法が適しています。

メルカトル図法が今も使われる理由

Google マップをはじめとする多くの Web 地図サービスは、メルカトル図法の派生であるウェブメルカトル図法を採用しています。 その理由は、正方形のタイルに分割しやすく、ズームレベルごとに同じ計算式で座標変換できるためです。

ただし、近年は面積の歪みに対する意識が高まり、一部の地図サービスでは低ズームレベルで別の図法に切り替える対応も始まっています。 Google マップも 2018 年からデスクトップ版で地球儀表示に対応しました。

このページのインタラクティブ比較ツールでは、メルカトル図法の地図と地球儀を並べて表示することで、 面積の歪みを直感的に理解できるようにしています。国をクリックして、地図上の大きさと実際の大きさの違いを確かめてみてください。

よくある質問

なぜメルカトル図法では面積が歪むのか?

球体を平面に広げる際、メルカトル図法は「角度を守る」ことを優先しました。 航海で方角が正確に読めるよう設計された代償として、高緯度ほど面積が拡大されます。 拡大率は 1/cos²(緯度) で計算され、例えばグリーンランド(緯度72°)は約10.5倍に拡大されます。

グリーンランドとアフリカの実際の大きさは?

メルカトル図法の地図では同じくらいに見えますが、 実際はアフリカ(約3,037万km²)がグリーンランド(約216万km²)の約14倍大きいです。

メルカトル図法のメリット・デメリットは?

メリット:角度(方位)が正確に保たれるため航海やナビゲーションに最適です。 直線が等角航路(ラムライン)を表します。 デメリット:高緯度の面積が大幅に拡大されます。 極に近い地域は無限に引き伸ばされるため、極そのものは表示できません。

赤道から離れるほど面積が大きくなるのはなぜ?

地球儀では北極・南極に近づくほど経線の間隔が狭くなりますが、 メルカトル図法では経線を平行に描くため高緯度ほど横に引き伸ばされます。 角度を保つために縦も同じ比率で伸ばすので、面積は 1/cos²(緯度) で拡大されます。

メルカトル図法はいつ誰が作ったのか?

1569年、フランドル(現ベルギー)の地理学者ゲラルドゥス・メルカトルが航海用世界地図のために考案しました。 地図上の直線が等角航路(ラムライン)を表すため、コンパスと定規だけで航路を計画できるようになりました。

Google マップはなぜメルカトル図法を使っているのか?

Google マップが採用するウェブメルカトル図法は、正方形のタイルに分割しやすく、 ズームレベルごとに同じ計算式で座標変換できるためです。 ただし2018年からデスクトップ版では地球儀表示にも対応しています。

最終更新日: 2026年4月17日